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zoom RSS 「地役権抹消登記?と、実務における基本の重要性」 :猪狩佳亮先生

<<   作成日時 : 2011/09/01 06:25   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 51 / トラックバック 0 / コメント 1

9月になりました。

猛暑が去り、
どうやら秋の始まる気配を感じる今日この頃ですが、
いかがお過ごしでしょうか。

先日、不動産登記が始まった
御茶ノ水の入門クラスにお邪魔してきました。

実際に翌々日に使う申請書と、
見積書(フィクション)を画面上でお見せし、
イメージを持っていただきつつ、

(1)登録免許税の計算は間違えると大変ですよ、とか、

(2)原登印住資代・・・が、
お客さんから必要書類を聞かれた時に
とっさに答えるのに役立つよ、とか、

(3)苦痛と思われる申請書のひな型の記憶も、
きちんと繰り返して慣れると、
権利証偽造事件も見抜ける(かも)よ、とか、

不動産登記って手続法なので、
はじめのうちは取っ付き難いかもしれないけど、
登録免許税の計算も、添付書類も、申請書のひな型も、
「実務と直結する知識」をいま勉強しているので、
がんばりましょう。

という趣旨の話をしました(たぶん)。

現場に行って、
見積りを間違える司法書士はみっともないし、
必要書類を咄嗟に言えないのも、
なんかプロらしくないし。

ということですね。

もう1つ。

本試験を終えたある受験生の方が、
ウチの事務所の見学をしたいということで、
決済準備や銀行での決済立会い現場、
設立や相続の面談など、
3日ほど見てもらいました。
(もちろん、厳格な守秘義務を課した上で、です)

不動産登記との関係では、
決済準備をロールプレイングっぽくやっていただき、
最初のうちは、実務特有の書類や税率等に
戸惑っていたようですが、
すぐに慣れられた様子で、
もう数件こなせば十分マスターできるでしょう。

手続なので、「慣れ」は重要です。

「試験合格レベルに達していれば、
実務はもう、すぐそこにある。」
ということを、
入門クラスの方も、見学に来られたその受験生も、
何となく感じ取ってもらえたのではないか、
と思っています。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

さて本題はここからで、
実務って、本当に基本が大事なんです。

(1)先日、ある決済にあたり、
前提としての地役権抹消登記も同時にお願いしたい、
との依頼を受けました。

地役権抹消なんて、珍しいなあ、と思いつつ、
今回売買の対象となる
不動産の登記事項証明書をFAXしてもらうと、
乙区1番に「要役地地役権」が入っています。



乙区

1  要役地地役権  (受付番号欄空白) 承役地  ○○区○○町1−2−3

                           目的  通行

                           範囲  全部

                           平成年月日登記

(2)そこで、
「なんで地役権の抹消をするのですか?」
と質問してみました。

なぜこんな質問をするか、分かりますか?

仲介の不動産屋さんの話によると、
売買契約書に
「第●条(負担の除去) 
売主は、本物権の所有権移転の時期までに、
抵当権等の担保権および賃借権等の用益権
その他買主の完全な所有権の行使を阻害する一切の負担を消除する。」
との記載があるから、

当然、所有権を移転する前提として、
「用益権」である地役権を抹消すべきでしょ、

というわけです。

(3)ん〜、と唸るわけです。

なぜ唸るか、分かりますか?

かなり疑問を感じつつ、
「地役権抹消登記は共同申請ですから、
相手の方と面談できますか?委任状も必要ですよ。」
と言うと、
「えっ、そんなの要るんですか?
本当ですか?(やや疑いの声)
相手って、誰ですか?」

(4)相手が不動産業者さん(不動産の専門家)なので、
あまりくどい説明をするとプライドが許さないかな、
と思い最初は黙していたのですが、
このあたりで地役権の本質を
ご理解いただいていないことが確信できましたので、


「要役地地役権は、負担じゃなくて、付加価値なんですよ。
他の土地を通れる権利が、オマケで付いているのです。
だから、抹消する必要は無いのですよ。
今回ローン融資する(抵当権を設定する)銀行も、
この要役地地役権があることを前提に、
不動産の担保価値を鑑定評価しているはずだから、
むしろ勝手に抹消したらまずいのではないですか? 」


と説明を入れました。


それでもあまり信用いただけなかったのでしょう、
「こちらでも確認して、また電話します」と
一度電話を切られましたが、
次の日にはご理解いただけたようでした。

結果として、地役権抹消登記をしないまま、
所有権移転登記・抵当権設定登記を申請したのでした。

仮に、売買対象の不動産が「承役地」だったら、
不動産業者さんのいうとおり、
地役権抹消登記はしなければならないのでしょうが、
今回は売買対象が「要役地」なので、
抹消は不要ということです。

(5)まとめ

・「要役地」と「承役地」の言葉の意味

・土地の便益のため、
合意により設定する(契約による)ものなので、
抹消する場合も両者の合意が原則として必要、
という地役権の性質。

民法の基本ですが、
現場では、こんな勘違いが、ポツポツとあります。

的確に、基本知識を正しく、
即座に提供することの重要性を、
改めて感じた1日でした。

「即座に」ですよ。

(6)ちなみに、「承役地」の登記事項証明書で、
乙区の登記記録がどのような記載になっているか、
地役権の登記を学習された方は、イメージしてみてください。

「要役地」の登記記録になくて、
「承役地」の登記記録に記載があるものは、何か。

まあ、Bランクくらいなんでしょうけど。

(おまけ)
先月、お勧めの本をいくつかご紹介しましたが、
いま私は、高杉良著の「欲望産業」を読んでいます。

消費者金融企業の内実を描いた小説で、
債務整理業務を取り扱う者としては、
興味深く読み進めているところです。

寝不足です。

最近も、とある消費者金融会社の破産がニュースになりましたよね…。



ではまたお会いしましょう。


猪狩佳亮

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
ご説明が丁寧で、とても参考になりました。
有難う御座いました。
みーこ
2013/11/07 15:57

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