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zoom RSS 「意外と論点の多い?所有権更正登記」:猪狩佳亮先生

<<   作成日時 : 2012/12/30 00:07   >>

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甲1 所有権保存 所有者 A

乙1 抵当権設定 抵当権者 X銀行

これをAB共有(持分100分の99 A,100分の1 B)に所有権更正する
という、登記の依頼がありました

目的としては、
税制上の優遇を受けるために
Bを共有者として入れたいということで、
年末に多い登記です。

(1)添付書類

この所有権更正登記に特有の添付書類として、
X銀行の承諾書がありますね。

所有権更正により、
B持分については抵当権が
実質的に抹消されるため、
その不利益を受けるX銀行の承諾を得るということです。

なお、承諾書はX銀行代表者の実印を押印し、印鑑証明書を添付する。

ここまで、よくある受験知識ですね。基本です


*なお、一応、比較として、
持分のみの更正、たとえば

持分2分の1 A、持分2分の1 B
を、
持分3分の2 A、持分3分の1 B
  
に更正登記する場合、
承諾書は必要だったか、
申請書にはどのように記載するか、
これも典型論点なので確認してみてください


でですね、今回困ったのは、
この承諾書が、銀行に依頼して1か月以上出てこない。
12月中に申請しなければ意味がないと
お客様からの催促が来るが、銀行が遅い。
というか、そもそも某支店のローンセンター長が
この登記の構造を理解してくれていない。

ということだったんです

たぶん、銀行が絡まなくてもいい持分のみ更正の方が事案が多くて、
単有→共有、の所有権更正登記って、
レアケースなんでしょうね。

登記完了したのは12月27日。
あぶなかった・・・。
(申請日基準なので厳密には
ギリギリではないのですが、
年末に精神的にしんどいです)


(2)セットになる登記

上記所有権更正登記のみを実施すると、
前述のとおり、
B持分につき抵当権が実質的に抹消され
抵当権の効力が及んでいない状態になるため、
B持分に抵当権の効力を及ぼす法律行為
およびその登記が必要になる。  

どんな契約をし、どんな登記をするか、
確認してください。

「変更契約」ではなく、
「(追加)設定契約」であり、
「及ぼす変更登記」ではなく、
「抵当権(追加)設定登記」であるということですね。

実体上の問題は、
数年前の本試験の出題ミスがあり、
ご指摘があった通りですね。

「及ぼす変更登記」は、
抵当権が及んでいる部分と、
及んでいない部分の所有者が
同じである必要がありますが、
今回は、AB共有で、
A持分に抵当権が及んでおり、
B持分に及んでいない状態なので、
「及ぼす変更」は使えず、
「追加設定」になります。

抵当権設定に関する登録免許税は、
追加不動産1個につき1,500円です。


(3)登録免許税

本件における所有権更正登記の登録免許税って、
何も考えず1,000円にしてしまいますよね。
受験的には、それで正解です
  

ここから先の話は、
ちょっとだけ実務の知識が必要です。
面倒だったら、受験生の皆さんはパスでOKです。


問題の所在は、
甲区1番の所有権保存登記において
減税措置を受けているということです。

住宅用家屋証明書を添付すると、
所有権保存の税率は1.5/1000となり、
本件建物の課税標準額を1000万円としたときに、
甲区1番の保存登記の登録免許税は、1万5000円です。
(1000万円×1.5/1000=1.5万円)

で、今回、新たにBが共有者として入るわけですが、
Bが住宅用家屋証明書を受けることができない場合、
本件所有権更正登記の登録免許税は、

ア もし当初AB共有で所有権保存登記をした場合の登録免許税) 
  から、
イ 前登記ですでに納付済みの登録免許税(本件では、1.5万円)
  を控除した額、

ということになります。
単純に、1,000円ではありません。


で、アって、具体的にいくらなのか

Aが減税を受けられるがBは減税を受けられない場合、
A持分については1.5/1000、B持分については4/1000で按分します。
(4/1000というのは、所有権保存登記の本則です)


たとえば、持分10分の9 A,10分の1 B に更正する場合、
A分:1000万円×1.5/1000×9/10=13,500円
B分:1000万円×4/1000 ×1/10= 4,000円
合計:17,500円

なので、結局、
17,500円(ア)−15,000円(イ)=2,500円
が納付額となります。 

何も考えず「更正登記だから1,000円でしょ」
と思って1,000円納付すると、
即刻、補正連絡がかかってくることになる訳です

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  
  
私も今回、そんなこと知らなかったので
気楽に1,000円納付しました。
普通なら、完全に補正&自腹、の事案です。

ところが、今回は、運よく補正にならなかったのです。

というのは、
実際の事案は、持分100分の99 A,100分の1 B 
への更正だったので、

A分:1000万円×1.5/1000×99/100=14,850円
B分:1000万円×4/1000 ×1/100 = 400円
合計:15,250円

15,250円−15,000円=250円

で、最低税額の1,000円が(結果的に)納付額となり、
計算過程はまったく誤りなのに、
結果的に納付額はあっていたのです。
   
ラッキー


*ちなみに、もちろんBの住宅用家屋証明書を
添付できる場合は、所有権更正登記の
登録免許税は1,000円でいいです。



こんなラッキー記事で2012年を締めくくっていいのか
という気もしますが、何卒ご容赦のほど。

今年1年はいろいろと運がよかったので、
来年は実力で進んでいけるように頑張ります。

どうぞよいお年をお迎えください


猪狩佳亮

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