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zoom RSS 「戦いすんで・・改めて想う司法書士試験」:蛭町 浩先生

<<   作成日時 : 2013/07/16 00:00   >>

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「資格試験」は、あらゆる意味で資格の「象徴」である。

その資格が難しいのか簡単なのか、
その資格を使ってどんな仕事をするのか、
試験内容をみればおよその見当が付く。

試験は、言うまでもなく合格者の選抜手段であり、
資格に対応する業務内容の説明や仕事案内の意図をもつものでない。

しかし、試験では、
その資格を必要とする業務を遂行するために
必要不可欠の基本知識やスキルを問うことから、
図らずも上記のような結果を生むことになる。

まして、司法書士試験は、
合格イコール、即、開業可能の建前があるため、
業務遂行のための即戦力があるか否かを考査の対象とせざるを得ず、
上記の図式はより一層強いものとなる。

しかも、その中で、午後の部の記述式試験(書式の試験)は、
司法書士が行う「模擬の登記業務」と位置づけられるだけに、
そこから業務に必要な知識やスキルだけでなく、
現在の司法書士の業務に取り組む問題意識や姿勢が垣間見えることになる。

否、問題に示されているように
司法書士の問題意識や姿勢が世間の方々に見られてしまうことになる。

その意味で、忘れがたいのは、
平成20年度の不動産登記の書式の試験である。

あの問題から見えてくるのは、
任意売却に汗を流す弁護士の姿であった。

肝心の司法書士は、
涼しい顔で申請情報の作成のみを行う代書でしかなかった。

任意売却を手がけている司法書士の先生方から法務省に対して、
猛烈な抗議が殺到しなかったのが不思議なくらいである。

また、あの年は、
出題形式がオール別紙に回帰した年でもあったが、
その発想にも強い違和感を覚えた。

権限の有無に係わらず、
司法書士は法を使って文書若しくは文書の原案を作らなければならず、
それが作れるか否かが事の本質である。

文書を作れれば、読めるのは当然であるが、
その逆は真ならずで、文書が読めても作れる保障はない。

大量の別紙を読ませる問題は、
本質とは反対のメッセージ(サイン)を受験生に送ったことになる。

形式論上、司法書士試験は、
法務省が行う国家試験であるため、
法務省がこのような実態として
司法書士を捉えていただけの話ということになる。

しかし、書式の問題の作成者は、
司法書士サイドの試験委員であることは周知の事実であるだけに、
何ともやりきれない気持ちにさせられた試験であった。

最低でも、素直に、
現在の司法書士の業務の実態と問題意識が
試験に反映されなければならない。

欲を言えば、
司法書士の将来を担う人材を選抜するのであるから、
現在の実務の実態だけでなく次代を担う者達にとって
次に必要となることを示唆する内容であることが望まれる。

さらに、理想を言えば、せめて、試験の世界だけでも、
「かっこいい」と憧れの対象となる司法書士像を見せて欲しい。

世間様に何と思われようが、
受験生にとって司法書士となることは「夢」そのものだからである。

今年度の不動産登記の書式では、
現行法が施行されて初めて
登記原因証明情報の内容となる事実の摘示が正面から問われた。

問われてみれば、何でもないことのように思えるであろう。

しかし、なぜ、今までそれを「問わなかった」のか、
「問えなかった」のかを考えれば、
この出題に込められている意味は大きい。

今年度の出題により、初めて「公」に
登記原因証明情報と司法書士の関係が明らかにされた。

仮に、今後、
登記原因証明情報の作成権限を付与する改正が行われれば、
今年度の出題は、立法事実を公に示した
歴史的な第一歩と評価されるものとなり、
まさに試験の歴史だけでなく、
司法書士の歴史に爪痕を残す、
エポックとして賞賛されることになる。

少なくとも、この出題により、
簡裁訴訟代理等関係業務が導入されて10年が経過したにも係わらず、
様式例を見なければ、登記原因証明情報の作成に
自信がもてないなどという「悲劇(いや喜劇か)」が、
将来に向かって解消されるだけでも、
十分に意味のある出題となっている。

残る懸案は、出題の趣旨と採点実感である。

司法試験と比較し、その取扱いの違いは
誰が見ても明らかに「差別」であり、
「正義」を旨とする「法務省の仕事」としてあり得てはならない問題である。

これがどう改善されるのか、
誰もが固唾をのんで見守っているだけに、
最後の踏ん張りを是非とも期待したいものである。

人の歴史は、「物」を観念的な「権利」に置き換えて、
高度な経済・社会を実現してきたと言えるものである反面、
「神」のように説明がつきにくい存在には、
それを象徴する「物」を作って、説明に代えてきた歴史でもある。

司法書士を象徴する「物」としての司法書士試験が、
単に現状の司法書士像を描くだけでなく、
燦然と天に輝く「理想の星」として、
それを見上げるべく受験生達の顔を上げさせ、胸を張らせる、
そんな存在となることを心から祈った七夕の宵であった。


蛭町 浩


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