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zoom RSS 「平成25年度本試験を終えて 坂本が思うこと」:坂本龍治先生

<<   作成日時 : 2013/07/25 00:55   >>

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本試験お疲れ様でした
試験から既に二週間が経過していますが、
まだ本試験の疲れが抜け切らず、
また、生きた心地のしない中、
毎日を過ごされている人も大勢いらっしゃると思います。

言いたい事はいろいろありますが、
今年の本試験について特筆すべき
登記原因証明情報の出題について、
私の思うところを若干コメントさせて頂きたいと思います

そもそも論として、
司法書士になったら、
登記制度を支える担い手となるわけですが、
こと不動産登記における登記の役割は、
権利変動の過程と権利関係を正確に公示する事で、
取引の安全と円滑を図る点にあります。

もしも公示がいい加減なもので、
真実とは合致しなかった時の事を考えてみますと、
登記には公信力がありませんから、
間違った登記を前提に登記名義を取得しても、
権利を取得する事は出来ず、
裁判沙汰になれば敗訴の可能性が高いという事になります。

公示がいい加減で、
そのような事故が頻繁に起きるようでは、
登記制度に対する信頼は失われ、
制度そのものの存続が危ぶまれます。

だから公示は、常に真実と合致する事が求められる。

では、誰がこの公示の真性を守っているのでしょうか

公示の真性を担保する最後の砦跡が
登記官である事はいうまでもありません。
登記官は、真実と合致しない登記を公示してしまわぬよう、
厳しい目で申請書類の審査をするのです

しかし、登記官の審査権限を思い出してみてください。

登記官の有する審査権は、
あくまでも提出された書面を前提とする、
形式的審査権しかなかったんですよね。
すなわち、申請された登記の真性に
若干の疑問を抱いたとして、
登記官は残念ながら法務局を飛び出して実態を調査したり、
本人を法務局に呼び出して事情聴取をする権限を
有していないのです。

だから、ある意味で提出された書面を信じるしかない

とりわけ、登記原因の審査にあたっては、
登記原因証明情報を最終的には信じるしかないのです。
そうすると、
登記原因証明情報こそが、
登記の真性を担保する最も重要な役目を負っていると言えるのです。


では、この登記原因証明情報は一体誰が作成するのか


作成名義人は、
登記義務者を始めとする、
申請当事者という事になりますが、
素人である一般の人に
登記原因証明情報の作成を求めるには無理があり、
実際には95%司法書士が文案を起こしているのが実態です。

そう。
公示の真性を担保する最も重要な登記原因証明情報を、
司法書士が作っているのです

しかし、司法書士法が16年に改正されるまで、
実は登記原因証明情報の提出は必須では無かった。
「登記原因ヲ証スル書面」に関する規定はあったものの、
提出出来ないときは申請書副本(登記申請書の写し)を
提出すればそれで良いとされてきたのです。
そのため、幾代通教授は、
「登記原因ヲ証スル書面」を提出する主な理由は、
申請人の提出した「登記原因ヲ証スル書面」を
そのまま利用して登記官が「登記済証」の
作成をすること(旧法60)にある
と評価しています。
(幾代通『不動産登記法』(有斐閣、第三版、1989)128頁)

それでは公示の真性の担保として非常に弱い。
このままで良いわけない。

そうした司法書士側からの声も受けて、
法改正された経緯があります。

司法書士自身が、
登記制度を支えるプロフェッショナルであるという強い自覚を持ち、
公示の真性の水準をより高めるために、
私たち司法書士に登記原因証明情報の作成を期待してください
と声を挙げた結果が、登記原因証明情報の必須化なのです。


登記原因証明情報は、
公示制度の真性を担保するものであると同時に、
司法書士の存在意義をも基礎付ける、
極めて重要なものなのです。

だからこそ
蛭町講師はじめ私たちは
法改正の当時から登記原因証明情報が出題されると言ってきました


時間はかかりました。


でも、今年出ました。


蛭町講師の言葉を借りれば、
「歴史的な第一歩と評価できる」
非常に意義のある本試験だったと言えるのです。


合格を期待し実務を見据える人も、
来年の合格を固く心に誓う人も、
これからは是非、
登記原因証明情報と司法書士の役割を意識して
登記原因証明情報と向き合ってほしいと、願うのです


法律家を志したからには、
一生勉強は宿命です。

今は少し、本試験の疲れを癒して、
そしてまた、机の前にきっと戻って来てください。


坂本龍治


余談
現在日司連では、不動産登記法改正委員会を立ち上げ、
登記原因証明情報に関する規定の改正を検討しています。

具体的には、
司法書士が申請代理する場合の登記原因証明情報の起案は、
ほぼ100%司法書士がしているにも関わらず、
作成名義人はあくまでも当事者しかなれないというねじれを解消すべく、
司法書士自身の名において
登記原因証明情報を提供する権限を認める規定を新設することです。
このような動きは、不動産登記制度に対する信頼をもっともっと高めたい、
という司法書士の思いによるものであり、
また、登記原因証明情報こそが公示の真正を担保する上で極めて重要なものである、
という認識の表れでもあります。

間違いなく、司法書士自身が今、
登記原因証明情報については関心を寄せています

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