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zoom RSS 「実務の視点」について1 実例と質疑応答の意義:筒井一光先生

<<   作成日時 : 2014/08/04 00:00   >>

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登記手続は法令に従って行われますが,
法令は一般的・抽象的に定められていることが多いので
解釈の余地が多分にあります

ある登記申請が,
法令解釈の違いによって受理されたり,
却下されたりしたら大変不都合です

そこで,法務局内部では,
上級所管部署である法務省民事局との間で照会・回答を交わしたり,
通達や通知を受けるなどして,登記業務の適正・統一を図っています。

これら通達等が「先例」と呼ばれるものです

先例については編集長のこちらの記事が詳しいです
「先例と登記研究」
http://next-stage.at.webry.info/201312/article_11.html

先例は,個別的事案や具体的手続を通じて
法令の解釈を示したものといえますが,
非公式ながら同様のものに「実例」と呼ばれるものがあります。

「実例」の中でも通用力が高いのが
上記リンク先記事でも紹介されている
「登記研究」誌(テイハン)の
「質疑応答」「カウンター相談」「登記簿」といった連載記事です

これらは署名記事ではないものの,
民事局職員が執筆に関与しているとされ,
法務省民事局の法令解釈という意味では,
先例に準じるものと位置付けられるからです

昨今,先例はそう簡単には発出されないので,
これら実例は登記実務の円滑遂行に不可欠といえるでしょう。

司法書士試験対策としても,
先例のみならず実例も無視できません

ときおり受験生等の中には
「質疑応答は単なる雑誌の記事に過ぎないから,
試験にはほぼ関係ないよ。」
などと豪語する方もおられますが,そうでしょうか

例えば,平成26年度の本試験で見れば,
午後の部第23問のエ
根抵当権共有者の権利放棄を原因とする他の共有者への移転登記の申請に関して,設定者の承諾書の提供の要否
は,登記研究490号掲載の質疑応答を題材としているものと思われますし,
記述式不登の
登記名義人が数回の住所移転を経た結果,登記簿記載の住所と同一の住所となった場合の名変登記の要否
は登記研究379号掲載の質疑応答から題材を得ていると推測できます。

根拠が先例なのか実例なのかはさして重要ではありません。

特殊すぎる事例であれば先例であっても出題可能性は低いですし,
それが実体から手続にわたる登記実務の基本的な考え方を色濃く反映したものであれば,
たとえ実例であっても試験対策上重要な知識となり得る
というのが私の考えです

このように実務上も,
試験対策上も決して疎かにできない実例ですが,
このうち「質疑応答」に関連して,
登記研究誌では,平成16年から「実務の視点」と題して
質疑応答を項目ごと整理し,
新たに解説を加えた連載が現在まで続いています

「質疑応答」は具体的事例に関する
「問」に対し「答」というスタイルでズバリ結論が示され,
それはそれで端的で痛快なのですが,
何が問題点で,どこをどんな風に解釈して
その結論に至るのかといった
検討過程や理由がほぼ示されないので,
ときたま趣旨がつかみきれないものがあります

また,創刊直後から60年余の蓄積がありますから,
その間の法令改廃等により妥当性を失い,
又は修正を余儀なくされていると思われる
質疑応答も多数あります。

なので,現在の視点に立ち,
検討,解説を加え整理しなおす「実務の視点」は,
先達の知恵を掘り下げ吟味しアップデートすることで,
実務のさらなる円滑遂行に資する意義がある画期的な企画
と思います

ところがです。
最近,我が師匠と私の間では,

「実務の視点」は取扱い要注意

「だな。筒井さん。」

「ですね。先生。」

という会話が交わされることがもっぱらです。

それはなぜかというと
…次回へ つづく


筒井一光

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