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zoom RSS 「覚悟」:山口岳彦さん

<<   作成日時 : 2015/06/02 00:00   >>

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いくつか事件を受任できるようになってきた最近、
ようやく司法書士としての体をなし始めたと感じています

今日は、今年合格する皆様が、
半年後から1年後に携わる可能性がある
相続登記業務の一般的なお話から、
司法書士試験の受験勉強に役立ちそうな要素

を抜き出してみます

相続登記は一般的に
@事情聴取
A調査
B相続分の確定
C登記申請
という流れで進めます(私の基本型)。

早めに業務全体の見通しを立てスムーズに進めるには、
「@事情聴取」がとても大切だと考えます

たとえば、
不動産の所有権登記名義人(被相続人)が
15年前に死亡していて、
今から相続登記の相談にくる、
このような事例も多いと思われます。

すると、本来の共同相続人のうち、
Aは5年前に死亡していて数次相続が生じ、
奥さんと孫3人がいて、
Bは20年前に死亡していて代襲相続が生じ、
孫4人がいて、
Cについても数次相続で
死亡時に配偶者と未成年の子がいた他、
Cは3回結婚し、
2人目の配偶者との間にもうけた子がいる、

こんな感じで、
あっという間に共同相続人が10人を超え、
場合によってはCの未成年の子につき
遺産分割協議のための特別代理人選任も
必要となる案件も出てきます

司法書士をしていれば、
ベテランだろうが、
1年目だろうが、ある日突然、
このくらい複雑な案件が容赦なくやってくる

と想定すべきです

初回面談の「事情聴取」の時、
色んな想定をしつつ依頼者に様々な質問をし、
想定される相続関係説明図を描きながら事情聴取します。

瞬時に判断し、次の質問を続け、
依頼者の記憶の限りにおける
相続関係説明図(暫定)を描いていきます

描き終えたら、
登記までの暫定的な見通しを伝えます

「登記申請に必要な正確な相続関係は
今から戸籍を調査しますが、
ここまでうかがったお話を前提にすると、
この物件の名義人を相続する権利がある人は、
ABCDEFGHIJKLMNO、15人いることになります
(一人ずつ鉛筆で○で囲みながら数えます)。」

暫定的とはいえ全体の見通しが立てば、
必要となる作業もある程度リストアップすることができます

すると、正確な見積りは調査をしないとできないとしても、
トータルで大体いくらくらいの金額で登記できるのか、
積算費用の見通し、または算定方法も伝えることができます

お金がいくらかかるのかは、
多くの依頼者にとって最も重要な関心事の一つです


ここまで、
相続登記の初回面談の日に行う
事情聴取の概要をお話しました。

「この人のところは代襲かな?数次かな?あれ…?」

「この人が死亡した時、奥さんとは離婚してた、
この(元)奥さんは相続人だっけか?あれ…?」

「Cの二人の子の相続分はイコールでいいのかな?半血?あれ?」

「代襲で先に死亡してた人の奥さんは相続人だっけ?あれ?」

などと、依頼者の前で迷っていてはいけません。

民法択一や不登法記述で培った正確な知識を使いこなす
ことが求められます

また、「事情聴取」というと
冷たいイメージを持たれたかもしれませんが、
「丁寧に優しくお話を聞く」感じがよいでしょう

すると、過去何十年間の家族とのこと、
親戚とのこと、
厳しい時代を苦労して生きた一族への思いなど、
いろんなことを思い出し涙ぐむ人もいます

その話を聞きながら登記記録と公図を見ていると、
土地の形と登記された権利関係に、
被相続人の生き様・尋常でない苦労が
現れているように思えてくることもあります。

司法書士として、
相続を原因とする登記は申請できて当たり前です

その上で、
依頼者が長年背負ってきた
とても重たい何かがあります

依頼者に寄り添い、
その思いを受け止めて仕事をする「覚悟」

ができているか、
受験時代にずっと試されていたように思えてきました

困難な案件をご相談いただいたとき、
「これは面倒だな、嫌だな」と思うのか、
「この人が抱えている悩みの解決のお役に立ちたい」
と思うのか、
依頼者の信頼に影響するでしょう。

日ごろの受験勉強も、試験当日も、
同じではないでしょうか。
難しい問題に出会ったとき、
「これは自分にはできない。今年の合格は無理だ」
と思うのか、
「ここで逃げたらプロとして失格だ。」
と思うのか、

階段を順調に昇っていけるかも、
本試験で最後の合否を分けるのも、
司法書士事務所の実務経験の有無に関わらず、
何か重い責任を背負って仕事をする「覚悟」の有無
に左右される可能性があると思います


…と、ずいぶん偉そうに書いてしまいましたが、
何を隠そう、私こそ、
「面倒なことを先送りして合格も先送りして
何年も合格レベルのはるか下でウロウロしてた受験生」
の日本代表です

受験時代の初期から
このような「覚悟」ができていれば、
もっと早く合格レベルに達していたのではないかと思い、
参考までに書かせていただきました

司法書士として、人として、
これからもっともっと成長していきたい私です

ともに頑張っていきましょう


山口岳彦

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
相続登記について興味深いお話ありがとうございました。
司法書士も今は独立開業するのは厳しい時代と聞きますが、実際に開業してみてどうお感じになりますか。
受講生
2015/06/02 19:44
受講生さま

ご覧いただきありがとうございます。

司法書士の資格さえ取れば何の苦労もなく高い報酬の仕事がたくさん集まってくることを期待している人は今時ほとんどいないと思いますが、そのような方にとっては、とてつもなく厳しいと思います。

もし、司法書士という仕事に夢を抱き人生をかけて目指そうと思われたいのであれば、誰かが言った「厳しい」の一言を抽象的に捉えることはおすすめしません。どんな考え方の人がどんな状況を前提に何を厳しいと思っているのか、一概には言えないからです。

司法書士の仕事を「いずれ独立したいとの願望を抽象的に抱きつつ結局は勤務している事務所の仕事しか考えない」のと、「独立を念頭に経営者として自ら事業を構築する視点を持つ」のとでは、司法書士の仕事の捉え方がかなり異なると思います。

仮に合格者あるいは司法書士が「独立は厳しい」と言ったとします。思うに、独立するかしないかに関して言うと、「厳しい」に続く発想は、おおまかに、2タイプに分かれると思います。

「厳しい、どうせムリだ、危ないからやめよう」

「厳しい、なぜだろう?なるほど、すると、こうすればできる!」

どっちを選ぶかは各人の自由です。

私の場合、「ここに着目すれば仕事につながるだろう」という仮説を、大きく分けて3つ立てました。
一番有力だった一つは目論見が外れましたが、他の二つは最近実を結び始め、受任案件が出てきました。

資格の活かし方についても、近い将来、司法書士仲間として語り合える日がくること、楽しみにしています。応援しています!
山口岳彦
2015/06/03 18:22

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