「都会でも必要な農地法の許可」:皆川編集長

みなさんこんにちは

数年前に農地法の一部改正があり、
自分にはあまり関係ないかな?と思いつつも
法律家の「仕入れ」は知識である以上
最低限のことは把握しようと勉強して整理しました

商圏が主として東京であるため、
地目が畑とか田とかめったにないだろうと思っていましたが、
意外とあるものなんです!

多いパターンは、
登記上「畑」となっているが、実質的には宅地というもの。

登記では地目の変更というのは、
職権ではなく当事者が申請しますよね

ですから申請しない限り、
実質的に畑や田であっても
登記簿上はそのように把握するしかありません

ですが、現況が宅地である場合
税務署はこれを把握しています。

航空写真の技術が進んでいるため
そこが宅地かどうかわかりますし、
現地調査をして、ちゃんと現況を把握します

ですから固定資産評価証明書上では
しっかりと「宅地」として課税されているのです。

農地であれば固定資産評価額も低いのが一般的ですが、
東京の農地はうん億円ということもざらです。
(その理由は、登記と現況が異なるためです)

それでも東京では農地の取引なんてそんなにないですから
うっかり見落としてしまいそうになります

現況は宅地であっても、
登記上はあくまでも農地なのですから、
第三者に売買するのであれば、
農地法による許可(または届出)の申請が必要ですし
この許可は登記の効力要件である以上
絶対に忘れてはならない書類です。

それにこの許可は、住民票や戸籍の取り寄せとは異なり
農業委員会に申請してから許可がおりるまで
少なくとも1週間から2週間の時間が必要です

仮に売買決済の直前に気がついたとしたら
かなりの確率で「アウト~!」ということになるでしょう

私の場合、受験時代、書式で
何度も何度も地目が畑とか田とかなっているのを見落とす
いわゆるケアレスミスがあったので、
合格するときの書式ミスノートには
「農地かどうか必ずチェック!」と書いて戒めていたので、
実務についた今でも、ほぼ農地ということはないと知っていても
必ずチェックする癖がついています

ですから、ごく稀に農地を発見したときは、
かなりテンションがあがるのです

さて、数年前に整理した農地法改正について
少しだけ言及しておきましょう

どういう改正があったか一言でいうと、
「農地を相続等により取得した場合には、
農業委員会にその旨の届出をしなければならない」
ということなんです

【届出と許可の違い】
行政書士の勉強で一番最初に学習するところです

「許可」は一般的に禁止されている行為を解除するもので、
例としては、運転免許の付与が挙げられます

「届出」は一定の通知をあらかじめ行政庁に対して行うものです

両者の違いは、
許可の場合、行政庁がその可否について判断しますが、
届出の場合、行政庁がその可否について判断する余地はなく、
ただ単に法律上要求された書類の到達で足りるという点にあります


みなさんが気になっているのは、
農地法の一部改正による司法書士試験への影響は
という点だと思いますが、
農地法の許可が不要であることに変わりはないので、
司法書士試験(記述式)への影響はないでしょう

択一だったら、問われても仕方ないですが・・・

しかし、これが宅建試験だった場合には、影響があります。
宅建を目指される方はご注意下さい

【改正のポイント
農地を相続等により取得した場合には、
農業委員会にその旨の届出をしなければならない
(農地法3条の3)

届出を要する者
農地法の許可を要さずに農地の権利を取得した者
・相続、遺産分割
・時効取得
・法人の合併、分割等

【農地法の勘所
農地法には3つの許可制があります。
1.農地、採草放牧地の権利移動の制限(3条許可)
2.農地、採草放牧地の転用の制限(4条許可)
3.農地、採草放牧地の転用目的権利移動の制限(5条許可)

まず、3条許可の権利移動とは、
所有権移転・地上権、永小作権、質権、使用貸借権、賃借権、
もしくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、
もしくは移転することをいいます

ここで問題です

抵当権の設定は権利移動に含まれますか

正解は、「含まれない」です

抵当権は抵当物件を設定者のもとに留めており、
占有者(耕作者)に変化は生じないためですね

今、「ギクッ」と思った方は早速テキストの確認

ついでに、許可の必要な場合、不要な場合を覚えてください


次に、4条許可の転用とは、
農地を農地以外の土地にすることをいいます

最後に、5条許可の転用目的権利移動とは、
農地を農地以外の土地にするため、
採草放牧地を採草放牧地以外の土地(農地を除く)にするため
権利移動を行うことをいいます

要するに、
●①農地→農地、②採草→採草、③採草→農地
ならば、3条許可

●農地を転用する場合は、4条許可

●①農地→農地以外、②採草→農地、採草以外への
転用目的権利移動ならば5条許可
ということになります

ややこしくなるといけないのでこのくらいにしておきましょう

宅建試験ではもう少し細かいことも覚える必要がありますが、
司法書士試験との関係ではこの程度で大丈夫です

それではまたお会いしましょう



皆川編集長


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